不動産の問題
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家賃を払ってもらえない
家賃を払ってもらえない場合は、賃料支払請求訴訟を提起することができます。支払督促という方法もありますが、相手が異議を述べると、結局は通常の訴訟に移行します。
しかし、訴訟は時間がかかります。4月の賃料が払われなかったからといって、その分だけを支払督促や訴訟で請求すると、その間に5月分、6月分・・と滞納はどんどん溜まっていくだけです。
そのため、賃貸人としては、家賃を滞納する賃借人には、一日も早く明け渡してもらって、新しい人に貸し出した方がよいという判断になります。
しかし、賃貸借契約のような継続的な関係性のある契約は、賃貸人と賃借人の「信頼関係が破壊された」と判断されなければ、契約の解除は認められません。
一般的に、3か月家賃を滞納すると、「賃借人は信頼関係を破壊した」と判断されるので、賃貸借契約を解除することができることになります。
そこで、賃貸人は、賃借人に内容証明郵便で契約の解除の意思表示をするとともに、滞納家賃の請求をします。
それでも、賃借人が、明渡をせず滞納賃料も払わない場合には、建物明渡請求及び賃料支払請求の訴訟を提起し、判決を得て強制執行することになります。訴訟の中で、退去を約束して和解することも多いです。
土地・家の明け渡しを求めたい
土地の明け渡し
賃貸人が、土地や家の明け渡しを求めたいと考えても簡単に明渡を請求することはできません。なぜなら、借地借家法によって、明け渡し請求には、正当事由がなければならないとされているからです。
土地の明け渡しを求めることができる正当事由の主な判断要素は、「賃貸人と賃借人の双方が、土地の使用を必要とする事情の比較衡量」、つまり、賃貸人と賃借人のどちらがよりその土地を必要としているかという事情の比較です。
さらにこれを補完する要素として、「借地に関する従前の経緯」、「土地の利用状況」も考慮されます。 そして、これらの正当事由が弱い場合に、さらに補完する最後の要素として「立退料(財産上の給付)の申出」があります。
家の明け渡し
建物の明け渡しを求める場合にも、土地と同様に「正当事由」が必要となります。
建物の明け渡しを求めることができる正当事由の主な判断要素は、「賃貸人と賃借人の双方が、建物の使用を必要とする事情の比較衡量」、つまり、賃貸人と賃借人のどちらがよりその建物を必要としているかという事情の比較です。
さらに、「借家に関する従前の経緯」「建物の利用状況」「建物の現況」が、正当事由を判断するための補完要素であるとされています。
そして、これらの正当事由が弱い場合に、さらに補完する最後の要素として「立退料(財産上の給付)の申出」があります。
そこで、土地や建物の明け渡しを求める場合には、「正当事由」があるかどうかを確認し、場合によっては、立退料を準備する必要があります。
土地・家の明け渡しを求められた
上記の通り、賃貸人が土地や家の明け渡しを求める場合には、「正当事由」が必要です。そのため、明渡を求められたからといって、必ずしも出ていかなければならないというわけではありません。
賃貸人に土地や建物の明け渡しを求める正当事由があるか、正当事由が弱い場合には、適正な立退料を提示しているかによって、明け渡さなければいけないかが決まります。
正当事由の主な判断要素である「賃貸人と賃借人の双方が、建物の使用を必要とする事情の比較」については、賃借人はそこに住んでいるわけですから、その建物を必要としてますが、「代替性」つまり、近隣に似たような条件の物件があり、そこに移っても支障はないはずと判断されると、必要性は弱くなります。
賃貸人の側の必要性としては、自分や親族の居住の必要性、、生計維持の必要性、営業の必要性、建物売却の必要性(相続税を払わなければいけない)などですが、やはり、賃貸人の側も「代替性」は考慮されることになります。
なお、最近多いのは、敷地の有効利用・建物の高度再利用をしたいという理由です。つまり、今ある建物を取り壊して、新しく大きな建物を建てれば、もっと収益を得ることができるので、現在の賃借人に立ち退いてほしいという場合です。このような理由でも明渡請求は認められる方向になってきてはいますが、高額の立退料を払うとか、新しい建物への入居を約束するなどの対応が必要になってきます。
正当事由を補完する判断要素である「借家に関する従前の経緯」「建物の利用状況」「建物の現況」については、特別に安く貸してあげていたとか、建物の老朽化や耐震性に問題がある等の理由から建替えが必要であるなど案件ごとにさまざまです。
立退料は、賃借人に発生する経済的な損失、つまり、立ち退きのためにかかる費用及び立ち退きがなければ得たはずの利益などを計算します。
立退料には、移転経費(引っ越し費用等)、借家権価格、営業補償(店舗の場合)などが含まれます。
もっとも、その人の事情ごとに、移転費用、借家権価格、営業補償を具体的に計算しますが、賃貸人の側の事情も考慮されて、その金額を満額近くもらえるか減額されるかというのはケースバイケースであると言えます。
そのほか、借地・借家を巡るトラブル
賃料の減額を請求できる?
賃料の減額請求は、前回の賃料の合意のあとに、経済状況等諸般の事情に変更があり、周辺相場と比べて賃料が不相当になったような場合に認められます。
つまり、賃貸人と賃借人が合意して決めた賃料が尊重されるのが原則ですが、その後の社会の経済の状況や当事者双方の事情等に変動があり、その合意した賃料が、周辺の賃料相場から考えても不相当だと判断される場合に、賃料の減額が認められるということです。
賃貸人に賃料減額を申し入れて、断られた場合、賃料減額調停を申し立てることができます。調停前置主義ですので、調停を飛ばして訴訟を申し立てることはできません。
調停で話し合いがまとまらない場合には、訴訟で解決します。訴訟では、どのくらいの賃料が妥当かということを不動産鑑定士に鑑定してもらう必要があり、費用がかかります。
賃料減額が決まるまで、「請求を受けた者が相当と認める額」を払い続ける必要があります。契約どおりの家賃を払わなければ、債務不履行となります。賃料減額が認められれば、減額請求をした日以降の賃料が精算され、差額に年1割の利息をつけて賃貸人から返還されます。
賃料の増額を請求されたら?
賃料の増額請求も、減額請求のときと同じで、前回の合意の後に経済状況の変動等、事情の変更があって、今の賃料では、周辺の賃料相場と比べて不相当であるという理由が必要ですので、賃貸人に言われたからと言って、必ずしも増額に応じなければいけないというわけではありません。
増額に応じなかった場合には、賃料減額の調停の申立がされる可能性があり、それでもまとまらなければ、訴訟になることもあります。賃料の増額が必要だということは、賃貸人が立証しなければならないので、不動産鑑定士による鑑定の費用負担は賃貸人がします(事情によっては折半になることもあります)。
最終的に増額の要否が決まるまでは、「請求を受けた者が相当と認める額」を払い続ければよいのですが、契約している家賃の額はきちんと払わなければ、債務不履行になってしまいます。そして、最終的に増額が認められると、不足額に年1割の利息をつけて支払わなければいけなくなります。
不動産の売買を巡るトラブル
不動産の売買を巡るトラブルで多いのは、欠陥住宅を買ってしまったというものです。
住宅の欠陥とは、一般的に、住宅が法令に反している状態、または、最低限備えるべき建物の重要な性能(構造、防火・耐火、耐震、健康などの安全面)や基本的な使用機能(雨漏りがする、床鳴りがする、床が傾斜しているなど)を備えていなかった状態のことを言います。
建物の売主は、売った物に隠れた瑕疵があった場合には、民法570条の瑕疵担保責任を負います。「隠れた瑕疵」とは、通常人が取引上要求される一般的な注意を払っても発見できないものであり、買主がこれを知らず、また、知りえなかった瑕疵のことをいいます。
「瑕疵」といえるかどうかの判断基準は、契約時の当事者の合意や契約の趣旨、目的に照らして、通常の品質・性能を欠いているかどうか及び予定されていた特別の品質・性能を欠いているかどうかなどです。
瑕疵によって、契約の目的を達することができないときには、買主は、売買契約を解除して、売買代金の返還を求めることができます。瑕疵の内容が「契約の目的を達することができないとき」に当たるか否かは、その瑕疵の重大性や、その瑕疵の技術上の補修可能性、補修にかかる費用などの点から判断されます。
瑕疵の内容が、「契約の目的を達することができないとき」ではない場合には、契約の解除をすることはできませんが、損害賠償請求をすることができます。
瑕疵担保責任を追求できる期間は、買主が瑕疵を知ったときから1年間ですが、契約書に特約条項を設けることで期間を短くしたり、排除したりすることもできます。
ただし、売主が宅地建物取引業者である場合には、宅地建物取引業法により、引き渡しから最低2年間は、瑕疵担保責任を負わなければいけません。
また、新築住宅の購入の場合は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」により、住宅の構造耐力上主要な部分(住宅の基礎部分や柱、床、屋根などの基本構造部分)または雨水の浸入を防止する部分に瑕疵がある場合については、10年間、瑕疵担保責任を追及できます(特定住宅瑕疵担保責任)。
建築を巡るトラブル
建築を巡るトラブルは、請負の瑕疵も多いですが、近隣問題も多いです。例えば、近所から工事の騒音や日照権についてクレームが来る、目隠しの設置を要求されるといったものです。
日照は、良好な住環境のために必要なものです。そのため、日照権という権利が法的に認められています。
しかしながら、日本は国土が狭く、住宅は密集して建てられるため、それぞれが日照権を主張すると、住宅を建てられなくなります。
そこで、「受任限度」という考え方があります。これは、社会通念上、がまんするべき限度を超えている場合に、日照権の侵害として、工事の差し止めや損害賠償請求など一定の法的救済を受けることができるというものです。
日照権において、受任限度を超えるか否かは、
- 日照阻害の程度(冬至の日の午前8時から午後4時までの間、建物主要開口部がどのくらいの時間、日照を阻害されるか等)
- 地域性(都市計画上の用途地域等)
- 各種規制の違反の有無
- 被害回避の可能性
- 加害建物の用途(公共か営利目的か等)先住関係
- 交渉経過等
が総合考慮されます。
その他の近隣問題もこの「受任限度」の考え方を基本として解決を図ることになります。
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