夫婦・離婚の問題
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離婚したい
離婚の方法は、
- 協議離婚
- 調停離婚
- 審判離婚
- 認諾離婚
- 和解離婚
- 裁判離婚
の6種類があります。実務上は、協議段階、調停段階、訴訟段階の順に進んでいきます。
離婚協議
夫婦で話し合い、合意の上で離婚届を提出して離婚することです。協議離婚は、離婚の意志と親権者さえ合意できれば、成立しますが、離婚の条件を決めた離婚協議書を作成することもあります。
離婚調停
当事者では、離婚の話がまとまらない場合には、家庭裁判所に離婚調停(夫婦関係調整調停)を申し立てます。離婚は、調停前置主義といって、離婚調停での話し合いを経ないと、離婚訴訟を起こすことができません。
離婚調停とは、家庭裁判所で、調停委員会(調停委員2名、裁判官1名)に仲介してもらって、離婚の話し合いをすることです。
調停の中で、離婚を合意し、離婚条件でも折り合いがつけば、離婚できますが、相手が拒否すれば、離婚することができず、調停は不成立になります。
離婚訴訟
裁判で離婚を認められるのは、民法第770条第1項に定められている離婚原因のどれかに当てはまる場合に限られます。
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由
上記の要件のどれかに当てはまると裁判官が認めれば、離婚を認める判決になり、裁判離婚できます。
また、訴訟の途中で、裁判官から、和解勧告を受けて、離婚すること及び離婚の条件について、合意できた場合には、和解離婚することになります。
離婚を迫られている
上記の通り、協議離婚と調停離婚は、話し合いです。離婚を迫られていても、自分が合意しなければ、離婚が成立することはありません。自分が離婚したくないのに離婚が成立してしまうのは、離婚訴訟に負けた場合だけです。
上記の通り、裁判で離婚を認められるのは、民法第770条第1項で、決められている5つの離婚原因のどれかに当てはまる場合です。
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由
不貞行為
不貞行為とは、配偶者以外の人と性的な関係を持つことです。
悪意の遺棄
「悪意の遺棄」とは、夫婦の同居義務・協力義務・婚姻費用分担義務のうちの1つ以上の義務を果たさないことを言います。例えば、夫が出て行って、生活費を払わなくなったような場合です。
生死が3年以上明らかでないとき
最後に配偶者の生存を確認したときから3年以上、消息不明で、生きているのか死んでいるのかいずれとも判明しがたい場合のことです。
強度の精神病
婚姻の本質である夫婦の同居義務・協力義務・婚姻費用分担義務を果たすことができないほどの強度の精神病で、かつ不治の病であることが、専門医による客観的な鑑定によって、証明された場合です。
その他婚姻を継続しがたい重大な事由
「その他婚姻を継続したがたい重大な事由」には、暴力、暴言、精神的虐待、経済的虐待、相手方の浪費・借金、長期間の別居などさまざまです。
上記のような法定の離婚原因がなければ裁判所も離婚を認めることができませんから、離婚を拒むことができます。しかし、別居が長期化すると、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」と認定されて、離婚になってしまう可能性が高くなっていくことには注意が必要です。
別居したけど、生活費は払ってもらえる?
民法760条には、「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して婚姻から生ずる費用を分担する」と定められています。これを婚姻費用分担義務と言います。
夫婦は、収入や資産を活用して、家族(配偶者と未成熟子)に自分と同程度の生活をさせる義務(生活保持義務)があります。
そこで、別居していても、夫婦である間は、収入の多い方が、配偶者や子供に対して、婚姻費用を払う必要があります。
無職であっても、健康で働ける状態であれば、婚姻費用を払う義務があります。
婚姻費用の金額は、夫婦それぞれの収入や子供の人数、年齢などの個別の事情によって異なります。
家庭裁判所では、夫婦双方の収入や子供の人数・年齢に応じて、婚姻費用算定表というものを利用して、婚姻費用を決めます。この算定表は、東京家庭裁判所や大阪家庭裁判所などのホームページで見ることができます。
ただし、算定表は、一般的な基準に過ぎず、その事案ごとの事情によって、修正可能です。
生活費を請求しても、相手が払わない場合には、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停の申立を行いましょう。調停は話し合いですが、この話し合いがまとまらない場合には、審判という手続きに移行し、最終的には、裁判官が婚姻費用の金額を決めてくれます。
親権って何?親権者はどうやって決まる?
民法820条では、「親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う」とされています。
つまり、親権とは、親の未成年の子供に対する一般に、子の身上に関する権利と義務(身上監護)と子の財産に関する権利義務(財産管理)の2つの権利と義務のことです。
離婚するときには、親権者を決める必要があります。
民法第819条第1項は、「父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その一方を親権者と決めなければならない」と定めていますから、まずは話し合いをします。当事者同士での話し合いができなければ、離婚調停や親権者指定の調停の中で話し合います。
それでも決まらなければ、民法第819条第2項は、「裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の一方を親権者と定める」としていますので、親権者は離婚訴訟や親権者指定の審判によって家庭裁判所が決めます。
親権者を決めるための判断要素には、
- 母親優先の原則(とくに小学校就学前の子供)
- 監護の継続性(別居後の環境で問題なく暮らしていれば、その監護の状況を継続するべき)
- 監護能力(子供の世話をするだけの能力・余裕)
- 監護実績(子供が生まれてからの監護の状況)
- 精神的・経済的家庭環境(親の状況)
- 居住環境
- 子の環境の変化の有無(親権者の指定によって、子供の環境に変化が生じるか否か)
- 監護補助者の有無(実家の父母)
- 子の年齢・性別
- 子の意思(年齢が上がっていくと子供の意思が尊重されやすくなります)
- 兄弟姉妹の不分離
などがあります。これらの要素の総合判断によって、「子の福祉」の観点から親権者をどちらにするかが決まります。
養育費って何?金額はどうなる?
民法877条1項は、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務がある」と定めていることから、親子間には互いに扶養義務(生活扶助義務)があります。
生活扶助義務は、「相手に最低限の生活をさせる義務」のことです。
もっとも、未成年の子供に対する義務は、上記の婚姻費用分担義務に含まれているとされています。そのため、養育費は、「自分と同程度の生活をさせる義務」である生活保持義務です。
そして、離婚したとしても、親権者ではない親の子供に対する義務は免除されることはありません。そこで、生活保持義務を果たすために養育費を払う必要があるのです。
養育費も婚姻費用と同じく、双方の親の収入、子どもの人数、年齢によってだいたい決まります。養育費にも算定表があります。算定表は、東京家庭裁判所や大阪家庭裁判所のホームページに掲載されています。
算定表に定められる養育費には、生活費や基本的な学費は含まれていますが、私立学校に進学する場合や大学の費用などは、算定表とは別に払ってもらうように決めることもあります。
財産分与、慰謝料の決め方は?年金分割とは?
財産分与の決め方
財産分与とは、婚姻期間中に夫婦で築いてきた財産を離婚のときに分け合うことです。
婚姻期間中に夫婦で築いてきたと言える財産であれば、夫の名義の財産も、妻の名義の財産もどちらも財産分与の対象になります。一方、結婚前から持っていた財産や相続で受け継いだ財産のように、夫婦で協力して得たわけではない財産は、財産分与の対象にはなりません。
特別な事情のない限り、妻の財産分与の割合は2分の1になります。
慰謝料の決め方
離婚をするときにいつでも慰謝料がもらえるわけではありません。離婚原因となる有責行為が、
- 不貞行為
- 暴力
- 精神的虐待
- 性的虐待
- 経済的虐待
など慰謝料を支払わなければならないような態様のものであった場合にのみ、慰謝料は認められます。
慰謝料を決める時の考慮要素は、
- 婚姻期間
- 年齢
- 有責行為の有無
- その態様
- お互いの有責の割合
- 当事者の視力や社会的地位
- 未成年の子の有無
などです。
年金分割とは
離婚に当たって、婚姻期間中の「年金の保険料納付記録」を分割する制度です。
婚姻期間中には、結婚前に同棲していた期間や、内縁の期間も含まれます。
分割の対象になるのは、厚生年金部分もしくは共済年金部分、共済年金の3階部分である職域加算部分になります。国民年金部分、確定拠出年金などは対象になりません。
年金分割の割合は、実務上では、よほど特殊な事情がない限り、年金分割の割合は、「0.5」になります。
年金分割は、原則として、離婚から2年以内に行う必要があります。
離婚した後、子供に会いたいけど、できる?
離婚後に子供に会う方法としては、面会交流というものが認められています。
面会交流とは、子どもと子供を監護していない親(非監護親)が、子供との交流を持つことを言います。
面会交流には、直接会うことだけではなく、電話、手紙、メールによって交流をはかったり、写真や成績表などを定期的に送ることを決めたりすることもあり、これを「間接交流(間接的な面会交流)」と言います。
面会交流を求めるためには、家庭裁判所に面会交流を求める調停を申し立てます。家庭裁判所では、「子の福祉」に反しないように面会交流をさせるべきか、させるとしたら、どのようなルールで行うかについて、調停委員の仲介のもとで話し合います。面会交流のルールとは、頻度や、日時、場所、方法などのことです。
面会交流の調停には、調停委員だけではなく、調査官も加わって、子供の意見の聞き取りや学校・保育園での聞き取り、家庭訪問などの必要な調査を行い、その結果をもとに話し合うこともあります。
調停での話し合いがまとまらない場合には、裁判官が調停での話し合いや調査の結果も踏まえ、審判によって、面会交流を認めるかや、認める場合にどのような頻度、日時、場所、方法で面会交流を実施するかなどを決めます。
離婚した元配偶者から子供の養育費を払ってもらえていないが、どうしたらいい?
養育費が支払われない場合、強制執行をすることになりますが、強制執行をするには、公正証書か、調停調書・審判調書などの裁判所で養育費を取り決めた文書が必要です。公正証書ではない離婚協議書では強制執行できません。
そこで、公正証書、調停調書・審判調書がない場合には、まず、養育費請求調停から始める必要があります。
調停がまとまらない場合、審判という裁判官が養育費を決める手続きに移行します。審判に不満がある場合には、即時抗告を行うこともできます。
審判が確定すれば、この審判を守らない場合に、強制執行ができるようになります。
養育費の強制執行によって、元配偶者の給与を差し押さえると、1回の差し押さえで将来分まで継続して差し押さえを行うことができます。つまり、1度強制執行をしてしまえば、毎月給与から天引きして支払われるようになるということです。
もっとも、相手が自営業である場合のように、給与収入がなく、他にも財産があるかどうか分からないというような状況だと、強制執行は困難になります。
配偶者から家庭内暴力(DV)の被害に遭っている。どうしたらいい?
暴力からは、一刻も早く身を守る必要があります。そのためにDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)というものがあります。DV防止法に従い、各都道府県及び市町村にはDV相談の窓口や施設が設置されていますので、相談に行ってみましょう。配偶者暴力相談支援センターなどが運営する保護シェルターを紹介してもらったり、シェルターに入ったあとの支援を受けることもできます。
また、最近では、暴力を振るわれているときに110番すれば、警察が駆け付けてくれますし、家庭内の暴力でも、暴行罪や傷害罪で立件してくれることもあります。
さらに、DV防止法では、地方裁判所が、DVの被害を受けている人のために保護命令を出せるようになっています。
保護命令の種類には、
- 接近禁止命令(6か月間)
- 退去命令(被害者が同居する住居が引っ越しをする準備等のために、配偶者に対して、2か月間家から退去することを命じ、かつその住居の付近を徘徊することを禁止)
があります。
さらに、これと併せて、
- 電話等禁止命令(面会の要求、電話、ファクシミリ、電子メールの禁止なども含む)
を申し立てることもできます。
さらに、
- 子への接近禁止命令
- 親族等への接近禁止命令
もあります。
そして、命令違反に対しては、刑事罰(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)が定められています。
夫の不倫相手、妻の不倫相手から慰謝料を取りたい
不貞行為は、民法上の不法行為ですから、慰謝料請求が可能です。
不貞相手に対する慰謝料算定のための考慮要素も、婚姻期間、年齢、不貞行為の態様、期間、回数、頻度、お互いの有責の割合、当事者の視力や社会的地位、未成年の子の有無などですの総合評価となります。
もう一つ不貞相の慰謝料の要素で大きなものは、不貞行為が発覚した結果、「夫婦が離婚した(もしくは、離婚を前提で別居した)」のか、「夫婦はやり直すことにした」のかということです。
不貞行為は、「婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する権利」を侵害する行為であるため、婚姻共同生活を壊してしまった場合には、慰謝料は大きくなりますが、配偶者を許してやり直すことにした場合には、慰謝料はそれほど高額にはなりません。
不貞行為の相手方に対する慰謝料請求は、まずは内容証明郵便で行い、相手が応じなかったり、金額で折り合いがつかなかったりする場合には、訴訟提起をすることになります。
婚約者から一方的に別れを言われた
恋愛は自由ですので、交際していた人から一方的に別れを告げられたとしても、法的な保護があるわけではありません。
しかし、「婚約が成立していた」と言えるような場合には、「結婚の約束」という契約を破棄したことについて、法的な責任が発生することもあります。
婚約した当事者は、誠実に交際し、やがて婚姻を成立させるように努める義務を負うからです。
そこで、まず、「婚約が成立していた」と言えるためには、口約束では足りず、双方の両親に挨拶していた、結婚式の日取りが決まっていた、結納が終わっていたなど、客観的な事情が必要です。
次に、婚約破棄の場合には、婚約破棄に正当な理由があると言えるかが問題になります。婚約は、「婚姻関係」や「内縁関係」に比べれば、いまだ結びつきが緩い状態であると言えますので、「正当な理由」は広く認められる傾向にあります。
正当な理由もなく、婚約を破棄した場合には、これによって生じた損害を賠償する必要があります。
また、相手に婚約を破棄させるような行為をした場合(第三者との間で性的な関係を持った場合など)は、婚約破棄の原因を作った側が損害を賠償する必要があります。
損害には、結婚式の準備のために要した金額や結婚のために仕事を辞めた場合の逸失利益などが含まれます。さらに、慰謝料も問題になりますが、離婚の場合に比べると、慰謝料額が一般に低額にとどまります。
内縁関係解消後の財産処理など、内縁関係に関して相談したい。
内縁関係とは、籍を入れていないだけで、夫婦と同じように暮らしている関係のことを言います。
内縁関係は、基本的には、婚姻関係と同様の保護を受けます。
具体的には、夫婦の協力義務、婚姻費用分担義務、日常家事債務の連帯責任、夫婦共有財産の推定(民法762条第2項)などが内縁関係でも準用されます。
そして、離婚では、婚姻期間中に夫婦で築いてきた財産を離婚のときに分け合う「財産分与」が認められます。内縁関係においても、2人で協力して財産を築いてることに変わりはありませんので、内縁解消の際には、財産分与の規定が準用されますので、離婚のときと同様に財産分与を請求することができます。
また、内縁関係でも、貞操義務が認められますので、不貞行為があれば、慰謝料を請求することもできます。
なお、死亡による内縁解消の場合には、相続権がなく、財産分与の規定も類推適用されないことになっています。共有持ち分の精算、不当利得などの方法での解決も図られてはいますが、やはり遺言を準備しておいた方がいいでしょう。
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